Engineering Change & Project Management:製品開発における設計変更

設計変更とは、すでにリリーズされた製品構成要素の設計を変更させることである。近年、マーケットからの多様な要求や激変している技術進歩に対応するため、製品開発に置いて欠かせない重要な行為の一つになった。しかし、設計変更による影響は製品の構成要素間を股がって伝播していくことが多く、その影響を把握するのは非常に困難なことである。また、複雑な製品構造や巨大な開発プロジェクトは設計変更をより難しくしている。このように設計変更は意図しない悪影響与え、製品に不具合を発生させる恐れがある。そのため、設計変更に際、設計者の意思決定を支援システムが必要と思われる。

設計変更案のモデリング手法の提案
 設計変更に関して多くの研究が行なわれてきたが、多くの既存研究は設計変更に対して様々な知見をしめしたものの、静的なアプローチが多く、激動している設計の現場に適用するには困難なものであった。それを踏まえ、我らは設計変更を動的に表現できるモデリング手法を提案した。本モデルは、制約/パラメータ・ネットワークに定性推論の概念を取り入れ、設計変更が製品システム全般に与える影響を推測できるようにした。また、製品だけではなく、スケジュールやコストなどを含む開発プロジェクト全般をモデル化し、プロジェクトの管理の観点から設計変更による影響を判断できるようにした。
 設計変更の際、設計者は自分の経験や知識に基づいて判断をする。そのため、一つの設計変更要求に対して複数の対応案が存在しうる。提案モデルではそのような選択を「設計者の意図」と定義し、影響伝播の方向を決める重要な要素として扱っている。



設計変更案の評価
複数に存在しうる設計変更案の中でもっとも効率いい案を導出するためには評価指標が必要である。

我らは設計変更案の評価においてQuality/Cost/Deliveryの三つの観点からのアプローチし、また以下の三つの仮定の上で評価指標を提案した。
  • 設計変更が行なわれる構成要素が重要だと、影響は大きくなる。
  • 設計変更のタイミングが遅くなると、影響は大きくなる。
  • 設計変更のスケールが大きくなると、影響は大きくなる。
 設計、制作、購買など様々な開発のTaskが複雑に絡み合い、高度なプロジェクト管理技術が必要である受注型製品を対象として、提案手法の検証行なった。